少し前のことになるが、精子提供を実際の性行為によって行った事がある。
直接会って、実際にSEXして。
相手の方は元々思っていたこととは別の違ったのかも知れない。けれど、結果として彼女は精子を手に入れた。
俺は彼女と性行為をした。
その時のことを話そうと思う。
まず、きっかけはマッチングアプリでの募集だった。
「精子を提供してくれる方を募集」
彼氏募集だとか、結婚を考えられる人、なんて言うキーワードは幾らでも目にするが、こんなキーワードを目にしたのは初めてだった。
思わず画面を操作しそのキーワードにタッチしてみる。その募集内容は以下のものだった。
・精子を提供して欲しい。
・射精後、現物をもらえれば注射器で自らの体内に注射する。(これをシリンジ法と言うらしい)
・受け渡しは対面
・提供に関する報酬は無し。ボランティアとして欲しい
と言うことだ。
彼女には理由があるらしかった。
男性不信、SEX嫌い、でも子供は授かりたい。
俺は彼女に連絡をとってみた。
そして三日後の日曜に実際に会ってみたんだ。
彼女は普通のOLと言った感じだった。
いや、普通と言うのはちょっと違う。どちらかと言うと美女に類する方だ。
スラリとした華奢なタイプ。
長い髪の毛が特徴的だった。
名前は里佳さんと言った。
「あのーー、良いんですか?僕…ので…」
喫茶店で30分程話をした後で、彼女は俺で良い、と言い、その事に対して俺は質問を重ねた。
だが彼女は静かに頷いた。
そして今から採取をお願いしたい。
そして出し終えたらこの場で渡して欲しいと彼女は言った。
「えー、ここで?」
場所は普通の喫茶店。
店内に客はまばらとは言え、受けわたすには喫茶店のトイレでオナニー、自慰行為をする事を意味する。
「ダメ…ですか?」
真面目な顔をして俺の顔を見る里佳さん。
俺の方も彼女が手コキやフェラをしてくれるなんて期待もしていなかったから、動揺はしていたものの、頷き返した。
5分後…
XVIDEOの着エロ動画で抜いた俺は、指定された容器に精子を注ぎ、それを手に座席へと戻ってきた。
「あの…これ…」
周囲を見渡し、誰もこちらに注目していないことを確認してそっと彼女に渡す。
容器はまだ温かい。とにかく生々しいと思った。
「ありがとう…ございます。」
「早速、今から、頂きますので…」
里佳さんはニコっと笑い、丁寧にお辞儀をした。そして顔を上げ、
「もし、もしダメなら、また連絡を取ってもよいですか?」
彼女はそう尋ねた。
俺はうん、と1回だけ返事を返した。
ーーーその日は、それで終わりだった。
彼女があの後、喫茶店で俺の精子を注入したのか、家に帰って入れたのか、産婦人科にでも行って処置してもらったのかは知らない。
でも、とにかく俺は子種を提供するだけの立場だったから、それはどうでも良かった。
妊娠すると良いな、でも出来たらどうなるんだろう。
そんな事を考えてその場を後にした。
そして帰りにマックに行ってカフェオレを飲んだんだ。
ーーーしばらくして
彼女から連絡があった。
あの時の結果はダメらしかった。
だから、その週の土曜日にもう一度会う約束をして、また精子を渡した。
だが、またダメみたいだった。
「大丈夫ですか?」
不成功の報告をする彼女の文面から俺は彼女の事を心配した。2回ダメ。じゃあ、もうダメかも知れない。
互いの相性が悪いのかも。
さすがに次は無いな、と思った。
だがーーー
里佳さんからメッセージが来た。
「また、会えますか?」
「今度はタイミング法で、お願いしたいんです…」
俺は都合のつく日程を伝えた。
タイミング法?
これまでのやり方とは何が違うのか分からなかったが、俺が彼女に出来ること、それなら何かしら協力しようって思っていたんだ。
待ち合わせはJR恵比寿駅の改札口だった。
これまでの喫茶店とは違う、妙な予感は感じていた。
「お待たせ…しました」
里佳さんは少し遅れてやってきた。
身体のラインがくっきりと浮かび出る、薄手のセーター。
髪を長く垂らした彼女は、周囲の男性の注目を浴びていた。
「こんにちわ…あの…」
「今日は…どこで、します?」
俺は今日、この恵比寿駅で待ち合わせたこと、そして何をするのかを知りたかった。
「まあ、ちょっと、歩きましょうか?」
里佳さんは俺の質問には答えずに歩き出した。そしてしばらくして俺の方を向き、こう言ったんだ。
「私とーー」
「SEX、性行為、してもらえませんでしょうか?」
頭をぶん殴られたような衝撃を覚えた。
こんな風に、直接に、しかも美女に言われたことなんて初めてだった。
「えーーーっ…!」
呆気に取られて、返事が出来ない俺に、里佳さんは説明を始めた。
「今日、試したいのは普通のやり方、なんです。やっぱり、実際に性行為でする方が、確率が高いみたいでして …その…」
「今日は、タイミング的にも良いみたいでして…」
恥ずかしそうにそう言う里佳さん。
「あの…」
頭の中がぐるぐるとしていた。
目の前の美女とのSEX。断る理由は無い。
だが、突然すぎて、思考が整理出来ない。これまでの彼女の様子や言動から、美人局、なんてのは考えられなかったが、容易にはうん、とは言えなかった。
「ダメ…ですか?」
里佳さんは俺の手を取った。
そしてぎゅっと握り、
「お願いします」
目をじっと見つめ、そう言った。
俺は彼女の依頼を断る事が出来なかった。
だから、その後でタクシーに乗り、丸山町のラブホ街へと車を走らせた。
シャーーッ…
先にシャワーを浴びた俺は彼女が浴びるシャワー音を緊張しながら聞いていた。
バスローブを着て、ベッドに座り、膝の上に手を置いてただひたすらに待つ。
「ああ…」
何とも言えない気持ちだった。
ドキドキとかワクワク、そして恐れが同居している。
こんな事して良いのか、大丈夫なのか、って想いが繰り返し湧いてきた。
ガチャ…
そんな俺をよそに、浴室の扉が開いた。
しばらくして姿を見せたのは俺と同じバスローブに身を包んだ里佳さん。
「電気、消してもいいですか?」
彼女はこちらに来る前にそう言った。
「ええ、もちろん。でもーーー」
「少しだけ、顔くらいは見えるようにしても良いですか?なんとなく、顔くらいは見たい」
俺はベッドサイドの照明ボタンを弄り、ほんのりとした明るさ、蝋燭の灯くらいに調整したんだ。
里佳さんは何も言わずにこちらに歩いてきた。
「緊張、してます」
「す、ごく…」
「お願い…します…」
そして俺の横に座ると、しばらくもじもじとしていたが、やがて身体を横たえた。
「ああ…里佳…さん…」
目の前の美女に、ふらふらと寄せられていく俺。
ごくん、と唾を飲み込み、息を吸った。
「愛します。愛させて、頂きます。」
「たとえ、この場、だけでもね?」
精一杯の言葉だった。
里佳さんは目を開けた。
そしてこう言った。
「………お願いします。」
「すごく、久しぶりなんです。優しく、してくれると嬉しいです」
そしてバスローブの帯をしゅるしゅると解き、裾を左右に開いた。
「ああ…」
綺麗な身体だった。
華奢なのに、乳房はDカップはありそうだった。
「里佳…さん…」
俺も同じようにバスローブを脱ぎ去り、彼女に抱きついた。腰を抱きしめ、胸元を顔で弄り、口づけを繰り返す。
「ああ……あああ…」
彼女の腕が俺の背中に回った。
そしてぎゅっと抱きしめられ、里佳さんが応えてくれる。
「里佳さん…俺…俺…」
頭の中は彼女を愛する事、そして優しく、丁寧に抱くこと、ただそれだけだった。
ゆっくりと乳房を揉みしだき、バストトップに唇を這わす。
ちゅ…
ぷ…
そして彼女が痛がらないように優しく、時間を掛けて乳首を舐め、弱く吸う。
「ん………」
「んぁ……」
里佳さんが俺の頭に触れた。
そして耳や頬、鼻の辺りに触れ、揉み回す。
「あ…だめ…」
「だめぇ…」
足を俺に絡ませる。
そして身体が密着していく。
「ん…里佳…さん…」
俺の方、息子は当然に勃起していた。
これ以上無いっていうくらいに大きく、硬くなって主張しているそれは、彼女の下腹部をガンガンと押している。
「ぁ…これ…」
「んん…大きい…」
彼女は俺の息子に触れた。
最初の方は遠慮がちに、やがて竿を握って、その形や大きさを確かめるようにしてもみ回してくれる。
「ああ、大きくなってますよ?」
「里佳さんがとても素敵だから、最高の、身体だから、興奮して…ぁぁ…」
俺は彼女の言葉に合わせるように、下半身を上下に動かしたんだ。そして彼女に対してもっと触れるように懇願する。
「ん…はい…大きいっ…」
「ここから、ここから、出るのね?ぁぁ…」
多分、互いに興奮して変になっていたんだろうと思う。俺たちは互いの性器を手コキし、手マンして愛撫しあった。
「あーー…」
「いや…恥ずかし…」
濡れそぼったアソコに触れた途端、彼女は表情を歪めた。それでも少し慣れてくると俺の手の動きに答え、反応し、積極的に腰を動かし始める。
「ん…………」
「いいかな?」
興奮がこれ以上ないってくらいになっていて、俺は彼女に同意を求めたんだ。
それは紛れもなく今日ここに彼女と居る理由。生で、ゴム無しでのSEXだった。
「ん…来て…」
少し考えた後で、里佳さんはそう言った。
俺の背中に回した手に力を入れ、自分自身は足を左右に開く。
「久しぶり…だから…」
そして片手で俺の頭を押さえ、キスをしてきた。
「あ…っ…」
「んん…」
思えば、彼女とキスをしたのはこの時が初めてだった。俺たちは最初はフレンチキスで、やがて舌を絡ませ合い、互いの唾液を交換し合いながら、性器の挿入を試みていた。
「んっ…ふぅ…」
「ふぅぅ……っ…」
俺と唇を合わせあったままで、里佳さんが呻いた。ペニスはもう半分くらい彼女の中にめりこんでいて、繋がっている、と言えば繋がっている状態だった。
めりり…
りり…
「あっ…ああー…」
「はっぁあ……!」
挿入の度が増すと、激しく里佳さんが叫んだ。そして痛いくらいに俺を抱きしめ、さらに激しくキスをねだった。
「ああ…り…里佳…さん…」
「ぁぁぁ…」
俺は彼女の柔らかな、温かな膣の中で悶えていた。生挿入。相手の粘膜の感覚が生々しくって、たまらなかった。
「気持ち…いい…」
「いいです…もう、このまま、イッてしまいそう。」
「動いたら、ダメかも…」
普段はそうでない俺も、今日のこの相手、この状況下では早漏にならざるを得なかった。
とにかく、いつもの通り、精子提供だけって思っていたから、ここ数日射精をしていない。
なのにこの状況だ。
美女で、素晴らしい身体で、男性不信だと言っていたのにやたら積極的な彼女。
「もっ…もう…!」
「あーーーーー!」
びゅっく…
びゅるる…
3擦り半とはまさにこの事を指すのかも知れないと思った。
「ああ…ぁぁ…」
「ゴメン…」
俺は彼女の膣の中に大量の精子を漏らしながら、そう詫びた。
「ふふ…気にしないでください」
「いいんですよ?」
里佳さんはそう笑った。
そしてまだ射精の脈動を続けている俺の唇を求め、キスを始めた。
「でも…?」
「まだ…」
抱き合いながらぼそっと呟いた里佳さん。
くるっと姿勢を変え、身体を起こすと、俺に馬乗りになった。
「なんか…」
「私………」
俺の目の前には騎乗位の姿勢で俺を見下ろす美女がいた。
彼女は少し笑ったままで俺の顔を見ている。
「久しぶりに、SEXして…なんだか…」
「ね?」
そして里佳さんが手を伸ばす。
俺の乳首に触れ、指先でぐりぐりと弄り始める。
「なんだか…」
「ん…しょ…」
射精後の、まだ固さを保っている俺のペニスを軸に、腰を動かし始める彼女。
「ああ…」
「あぁぁぁ…」
部屋の中には里佳さんの声が響いていた。
そして乳首をつねられながら、悶える俺の声も響いていた。
終わり
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