壁に耳をつけたら喘ぎ声
学生の時の話。短いです。
ちょっと脚色しているけれど、大体は実話だと思って聞いて欲しいです。
大学の裏にあるマンションは、築年数も新しく、住み心地は良かったが、唯一と言っていいほどのダメな点が1つ。
壁が薄いことだった。
普通に飯を食っていて、隣の部屋のテレビの音が聞こえてくるなんて当たり前。
ひどい時には屁の音ですら聞こえてくる有様だった。
そんな部屋にも、一つだけ取り柄があったんだ。
それは隣にすむ住民の夜の様子が聞こえてくる、ということ。
それはどう言うことかと言うと…
右隣が1つ上の女子学生の部屋だったが、その部屋に彼氏がよく泊まっていった。
壁を通して聞こえる話し声。
男女の楽しそうな会話が聞こえて来る。
(ああ、今日は来てるな)
と気づいたら、その日はオナニーを止めた。
何故なら、その日の夜に隣家の痴態が漏れ聞こえてくるからだ。
それからしばらくして、時間にして23‘30くらいだろうか。
どんっ...
どんっ.....どんっ...どん...
壁に手を突かせてバックでついてでもいるのだろうか、反復的な壁に伝わる音。
そしてそれに合わせるかのような喘ぎ声。
「んんっ....んんっ....」
「んっはぁ..」
とか、
「ぁぁぁ......」
「やっ…やっ…や…ぁぁ…」
とか聞こえてくる。
でも大体は
「あっ...」
「あっ...あっ...あっ.....」
と、活字で表すのは難しいが、まさしくこんな感じ。
喘いでいるというよりは悲鳴のような、少し機械的擦れる音のようなものだった。
それでも時々は、
「ぁーーーーーっ...」
「いい...っ...」
「そこ...」
とか
「いやっ.....いやっ.....」
「それ以上やだ、くりい、くりい…」
とか今責められて、いじられている部位が想像出来るような生々しい言ったものまで聞こえる。
大概最後には
「ああっ.....ああああ.....」
「くるみ...ぃ..」
とか言う、男の声。
女の方の名前はくるみ、そして男の状況を推し量る。
そして静かになる。
(ああ..イッたんだな...)と思う。
気持ちよかったんだろうか。
生でシテるんだろうか、コンドーム をきちんと着けて、避妊は心がけているんだろうか、なんて思ってしまう。
そんな時俺もイク。
隣の男女の営みを想像し、くるみさんのあられもない姿を想像して。
「ふぅ…」
一杯出た。
こちとらはくるんだティッシュの中に大量放出。
沢山昼寝したから、一杯出た。
「…………」
少しすると、ぼそぼそとした話し声が聞こえてくる。
多分、
「良かったよ..」
とか
「気持ち良かった」
「お前のおっぱい…最高」
とか話しているに違いないと思った。
そして、その後はトイレを流す音。
どちらかが用を足したか、ティッシュでも流しているのかもしれない。
2回戦に行くことはまずない。
しばらくして、物音が止むと耳を離す。
そんな思い出。
2015/10/15 新規掲載
2019/8/28 内容更新
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