先日のこと。
爆睡していたら、ゆさゆさと身体を揺すられた。
「ね.....ねぇ.......ね.....」
「起きて....」
薄目をあけて声の方へ向き直る。
そこにいるのは今年34歳になる妻の遥子だった。
こんな時にとっさに思いつくのは何か緊急事態が起こった時。
「どうした?」
「なんかあった..?」
妻の表情を伺い、起こした理由を聞く。
部屋の中は暗く、彼女の表情がかすかにだけ見えた。
「あの.....その.....」
「その..」
もごもごと口ごもる。
「ね.....」
「寝れ...ないの。どうしても.....」
耳元でそう囁く。
傍には今年3歳になる息子がスヤスヤと寝ている。
声が小さいのは起こさないように気遣ったのだろうと思う。
「.....んで?」
俺は遥子の言葉の続きを確認した。
そして目をつぶって、返答を待つ。
「だから....」
「して.....」
「欲しいの。その.....手で....」
思わず目を見開いた。
そして、頭の中で彼女の言葉を反芻し、意味を確認する。
(して欲しい? 手で?)
息子が産まれて以来、夫婦生活は本当に稀。
それが、なぜ求めてくるような事に...
(生理前...?)
(エッチなドラマでも見た....?)
(親ホルモンが分泌された...?)
少し考えたが結論は出ない。
そして彼女の気持ちを思いやった。考えてみればなんだかいじらしいような気もする。
すぐ横にいる彼女の肉体、慣れた妻の身体にだが、あらためて興味が沸き立った。
「別にーーーー」
「いいけど....」
Sex、つまり挿入じゃなくて何故手マンなのかは気になったがまあいい。
わざとぶっきらぼうに言い、手を伸ばした。
そして、横に寝たままの姿勢で彼女のパジャマの中に手を入れた。
「あ......」
思わず遥子が反応した。
「ぁぁぁ......」
「ふぅっ....」
ふぅふぅっ、と彼女は息を吐いた。
なんだか安心したようだった。
「........」
そのまま下着の中に指先を侵入させていく。
「ん.....いや....」
「はっ...」
身体をよじり、妻はいやいやを示した。
陰毛のざらざらとした感触を感じる。
自ら誘っておいて、「いや..」は無いだろうと思うも、それが彼女にとってセックスをするときの前からの口癖だった事を思い出す。
ぐっ..
に.....っ...
中指に力を入れて、割れ目に沿わせた。
に.....に......
複雑な仕組みのひだひだに触れる。
まだそれは濡れてはおらず、やや湿り気のある粘膜にあたる。
「や........あ......」
普段、生活を共にしている時には聞きようも無いの、艶かしい喘ぎ。
彼女は俺の指先を起点にして、もじもじと左右にじれた。
(ああ…)
俺は遥子と頻繁にSexしていた時に慣れ親しんだ、
彼女の膣の様相を思い出した。
指先を割れ目のひだひだに這わせ、指の付け根のぐりぐりをクリトリスの突起に、それぞれピタッと当てる。
そして、指の先と根元で微妙に動きの違いをつけてうねうねと動かす。
「やぁっ........ぁぁ.......」
「はぁ....いや....やっ...」
「はぁん...っ...」
んふぅ....ふぅっ...と遥子が乱れて息を荒くする。
背筋がぴんっと張って、胸が突き出された。
「ここだろ?」
彼女の横顔を見ながら聞いてみる。
長年慣れ親しんだ身体。
感じるポイントを忘れるわけも無いが、わざと聞いてみる。
「ん……。」
「うん…………そこ…ぁぁ」
腰がわずかに浮いて、彼女自身が自らの股間を俺の指に押し付けた。
その動作が俺の指先を誘いこむ。
ぬちゃっ……
こんどは指先の腹に滑り気を感じた。
それはぬりっと中に数センチほど入り、無抵抗に膣口をいじる。
「あ.......ぁぁぁ.........いい......」
「そこ……ぁぁぁぁっ…」
背筋が反らされて、どんどんと腰が上がり、ずぶずぶと俺の指先を受け入れていく。
「んふ......ふぅっ.......ぁぁあ...」
「ああ.....」
「あーーっ…」
そして口がだらしなく空く。
俺はもう片方の手を伸ばし、遥子の口元に当てた。
そのまま彼女唇をつまみ、2本の指先で揉む。
「ああ.....ぁぁ.....」
「はぁっっ......ぁあ...」
彼女の唇が俺の指に吸い付く。
そして、舌を出して舐め、その後は口に入れてなぶった。
彼女からの反応があったことに俺は満足感を覚え、さらに行為を続ける。
遥子の舌先をつまみ、撫でた。
「んん………」
「いい……いい感じ……」
妻が喘いだ。
そして、手を下の方で動かし、俺の股間をまさぐる。
「ああ………」
「あなた....」
さっきから俺の股間はフル勃起。
久しぶりの夫婦の交流に、興奮が高まったまま。
彼女も同じように俺の下着の中に手を入れた。
そして、両手を使って優しく握る。
(く……)
こちらも負けじと指先の動きを早める。
ぬちゅ…っ..
くちゅ.......くちゅ.......
くちゅっ.......ぐちゅ....
.....ぐちゅぐちゅ......ぐちゅ.....
滑り気がびしょびしょに変わる。
「いやっ.......」
「ああっ.....................」
「あああっ!!!」
指の付け根にあたるクリトリスが肥大していた。
それにも気をつかい、手のひら全体で押すようにいじる。
「ああああっ....」
「ぁぁぁ…もう…もう…い…いき…そ…」
「あああっ.......」
「あー.......」
一旦は沈んでいた腰がぐいっと勢いよく持ち上がる。
そして、俺の指がほぼ全て彼女の膣に吸い込まれる。
ぐちゅっ…
ぐちゅぐちゅっ…
ぐちゅ…ぐちゅぐちゅ
「ああああああ!!」
もう、傍で眠る息子を気遣うこともなく、遥子は絶叫した。
そして、俺の指をぎゅううっと締め込んで、そのまま圧力をかける。
「ぁ.....」
「い…く…」
最後は静かにそう言った。
「ん…んん…」
彼女の指は俺のペニスを強く握りしめていた。
そして、絶頂後の余韻と合わせるように上下にゆっくりとしごく。
「ああ…はぁ………ぁぁ…」
「ふっ.......ふぅ.......ふぅ.......」
いつまでもいつまでもしごき続ける。
俺は、彼女の愛撫に答えるように、自らの腰を動かした。
それはまるで挿入しているかのように、優しく俺を捉えた。
終わり
2017/6/28 新規掲載
2019/7/25 内容更新
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