夏の話。
別にヤレたとかそう言うんじゃないから初めから断っておく。
今年の夏、ゼミの仲の良い友人達で伊豆の熱川へ行った。
昼の間は海水浴、夜は飲み会。
海で泳いだことと、すっかり日に焼けた事もあって、いつもより酔いがまわるのが早い。
そこで22時過ぎにはすっかり酩酊。
誰かが明るいから、と言って電気を消したところまでは覚えている。
だがそこで俺の意識は途切れた。
(ん.....)
気がつくと真っ暗闇。
俺は自分自身が横たわっている事に気付いた。
そして、妙な違和感。
重苦しく、圧迫感があった。
(この感じ)
思い出す。
そう、思い出した。
キス。
しかも激しいの。
意識が戻った時、俺は確かに誰かに
キスされていた。
唇がねぶられ、舌先が侵入してくる。
互いの口と口が重なり合う感覚。
息苦して、生臭い。
そして酒の匂い。
(これは.....)
混乱して、自分に覆いかぶさっているの何者か確かめ。理解しようとした。
その時の俺を支配していた恐怖。
それは
キスしているのが男じゃないか、と言う事。
相手の反応は明確ではなく、明らかに寝ぼけたような感じ。
もし、男の誰かが俺に対して...
ゾワッとして慌てて相手の身体に触れる。
むにゅっとして、柔らかい。
(ああ...おっぱい...)
俺は真っ暗な中で、目の前の身体を必死で弄った。
乳の膨らみを揉み、抱きしめる。
「んっ....ん...」
すると、女の息遣い。
自分の唇を貪る口からも漏れる。
(ああ...)
俺がドキドキとしていた。
このままどうにか...
そんな期待を抱き始めた頃、
「うん.....」
俺の唇を覆っていたのが離れ、傍らに転がっていく。
すぅっとした口元。
さっきまで
キスされていたのが嘘見たいだった。
「ぁぁ...」
俺はドキドキとしたまま、さっき夢中で触った胸の膨らみと、唇の圧迫感を思い出していた。
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