坂間藩お戯れ ①「湯殿で戯れ」その10「翌日のこと」 - 官能な体験談・短編、フェチ話


坂間藩お戯れ ①「湯殿で戯れ」その10「翌日のこと」

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坂間藩お戯れ ①「湯殿で戯れ」その10「翌日のこと」

前回、その9はこちら

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■翌日のこと


次の日。

宗広は、御殿全般の差配をしている唐橋を見つけ、それとなく聞いた。


「昨日の、湯殿番をしていた女中についてだが・・・」

「名前はなんと、申したかな..」


実は、紫乃、という名前を明確に覚えていたが、敢えて忘れたフリをした。


唐橋は、突然の申し出に驚いた。

「はっ...」

「上様、昨晩の女中でございますか。」

「あの者の名は柴乃と申します。」

「何か.......不手際でもございましたでしょうか?」


唐橋はいたく恐縮してそう言った。

彼自身、湯殿番の名前が宗広から出るとは思いもよらなかった。

(何か御不興をかうことでも....)


千嶋を通じて、湯殿番を手配した自らの責任が問われる事を予想した。

膝をついて、宗広の言葉を待つ。


「いやいや......」

「そうではない。昨夜の、その柴乃、なかなか気の利いた女子であった。」

「今夜もあの者にさせよ。」

「よいかな..」


お叱りでも受けるのではないかと思っていた唐橋は、お褒めの言葉をもらい、喜び、ほっとした。


「上様。ありがとうございます。」

「柴乃が聞けば喜びます。」


(あの者は確か...最初の日だけ...)


と脳裏によぎったが、口には出さなかった。


「かしこまりました」

唐橋は平伏して言った。

唐橋。

名乗りを付けて、唐橋少輔と呼ばれる初老の男は、御殿の中で紫乃を探した。


人を使って探すと、少しして千嶋と紫乃が姿を見せた。


「唐橋様.....」


千嶋、紫乃ともに何かに怯えたような感じだった。


昨日に湯殿番の件で何かあったに違いない、と叱責を予想しているような感じだった。


「よいよい...嫌な話ではないのだ」


彼女達の緊張をほぐそうと、極力明るい調子で話す。


「昨夜の湯殿番についてだが....」

「上様より、気が利いてよかった。紫乃を今夜も湯殿番にせよ、とのお話じゃ」


(え........)


紫乃は頭を下げたまま、目を丸くした。

そして、隣の千嶋と見つめ合う。

「上様...が、でございますか?」


千嶋が尋ねた。

「そうじゃ。光栄な事。よいか?紫乃..」


唐橋がそう言うと、紫乃は


「は.....」


と身体を硬くして頭を下げた。

断りを入れることなど、考えも及ばなかった。

ただ、下をじぃっと見て、固まっていた。


「紫乃..下がってよい」


しばらくして、唐橋がそう言い紫乃は千嶋を残してその場を去った。

唐橋は千嶋に話があるようだった。


(どうして....自分が....)

紫乃は自らの鼓動がどくどくと頭に伝わるのを感じていた。


終わり
(湯殿お戯れの巻、完)

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