坂巻藩お戯れ2「それぞれの役目」その1「与えられた役目」 - 官能な体験談・短編、フェチ話


坂巻藩お戯れ2「それぞれの役目」その1「与えられた役目」

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坂巻藩お戯れ2「それぞれの役目」その1「与えられた役目」

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■与えられた役目

(どう...して....)


坂巻藩の奥女中、紫乃(しの)は渡り廊下をとぼとぼと歩きながらと考えていた。


それと言うのは、奥の差配役、唐橋少輔より

「上様より、気が利いてよかった。紫乃を今夜も湯殿番にせよ、とのお話じゃ」

と仰せつかったこと。


自分のような身分のものに対して、非常に光栄な事ではある。

ただ、昨日の湯殿のことを思い出す。




領国入りされてから初めての上様のお湯殿つかり。

衣服を脱がせ、湯船お浸かり頂き、糠袋で御洗いした。


(そこまでは問題無かったのに....)


藩主、宗広様は途中で御気色を悪くなされたような感じだった。

途中からは自らで洗われ...お着替えも一人で。

決して気が利いたと言われるようなことなど、無いはず....

(どうして..だろ)


紫乃は胸元に手を当ててああだこうだと考え、思い悩んだ。


昨夜から考えていた事でもあったが、宗広が急に様子を変えた理由も、そして今唐橋から言われた湯殿番の件も、とんとその理由が想像できない。


「はあ....」

「ふぅ......」

女中が詰めている通称、戸口の間、と呼ばれる部屋に戻ると紫乃はため息をついた。

そのため息は隠す事をしなかったため、部屋の同僚がそれに気付く。


「紫乃...どうしたの?」


女中仲間の、みやが声を掛けた。


「うん....」

「あのね....」

「湯殿番...今日も私にだって..」


紫乃は唐橋に呼ばれて藩主の湯殿番を仰せつかった件を話した。

それは紫乃にとっては憂だったが、みや、には別にとらえられた。

「すっ....」

「すごい、すごいよ」

「上様のお気に召したってこと?」


みやの素っ頓狂な声は、紫乃を反応させた。

「えっ....?」

「ええっ...!」


思いもよらぬこと。
心当たりも無く、戸惑う。

傍らでは、みや、彼女は紫乃が若い頃から勤めだした時からのその同輩は、素直にそれに驚き、反応していた。

「やだ...」

「そんな...」

紫乃自身も、みやが騒いでいる理由を察し、声をあげる。

だが、みやはそんな紫乃に構う事なく、耳元にそっと顔を近づけると、


「もしかしたら.....?」

「ね....?」

みやのその言葉には、冗談ぽい語調が多分に含まれている。

「や...やめてよ....」

「私には旦那様が...いるし....」


紫乃はみや、を追い払った。

「そうよ...別に...」


言い訳するように呟き、視線を上にあげると、みやはニヤッと笑いを浮かべ、素早く身体を翻して逃げた。

「頑張って!」


みやはそう言いながら部屋を出た。

後に残されたのは紫乃だけ。


へなへなっと脱力するように腰を下ろし、そして身を崩す。

(でも...)

(もし..そうなれば...)

顔を突っ伏して、視界が奪われた状態で悶々と考えた。

(恐ろしい....)


本当にそんなことになれば、恐ろしい事になる。

人妻の自分にとって....


紫乃がそうやって思い悩んでいた時、奥ではそろそろ夕餉の支度が始まろうとしていた。

その2へ続く

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