坂巻藩お戯れ2「それぞれの役目」その3「夕餉の後で」 - 官能な体験談・短編、フェチ話


坂巻藩お戯れ2「それぞれの役目」その3「夕餉の後で」

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坂巻藩お戯れ2「それぞれの役目」その3「夕餉の後で」

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■ 夕餉の後で

藩主宗広は、そわそわとしていた。

城内の検分を終えた後は、例のごとく仏間で祈り、そして夕餉を終える。


後は文机に向かい、あれこれと書き物をしていた。

その中には、江戸屋敷で世話になった者、生まれ育った家の者への文もあった。

元々、書くことは好きで、文机に向かうのは習慣であり、嫌いでは無い。
いつもならあれこれと考えることも無く、目的を果たすのだったが.......何故か集中できない。


(どうして...だろう...)

(何故...)


そう考えるて、あれこれと思い返してみたが、その理由は自分で良く分かっていた。


(湯殿...)


その言葉から想像されるのは、昨日の湯殿番の紫乃の姿、きりっとした美しい顔。


湯けむりの中、小袖姿の紫乃が湯を汲んでいる後ろ姿が浮かんだ。

帯で締まった腰、そこから下方に膨らんだ尻..


(ぁぁぁぁっ...)

ぶんぶんと頭を振り、雑念を打ち消しても打ち消しても消えない。



左右に振った頭は軽い痛みがし、そして辞めた。

もう、どうしようも無い。


「こんな事では...」

「こんな事で....」


筆を乱暴に置き、足に力を入れた。

自分の心持ちが嫌になり、息を思いっきり吐いて、いきり立って立ち上がる。

「ぁぁ....」


そして、猛然と障子に向かって勢いよくそれを開けた。

トタンっ...


障子が端まで開き、乾いた音を出す。


「うっ...」


縁側に控えていた小姓がびっくりして驚きの声を上げ、飛び退いた。



「う...上様..?」

「いかがなさいました?」


小姓が落ち着かないままの声で尋ねる。
目を見開き、そしてすわ一大事かと腰物に手を当てている。


「い...いや...」

「何でもない。」

「何でもないのだ..」


宗広自身も、自分の感情と行動を理解できないでいた。

認めたく無い、と言う感情。

(っぁぁ...)

何かを吹っ切るように、空気を思いっきり吸うと、身を翻し、障子を掴んでそれを閉めた。


再び室内にこもり、背中を障子に向けて部屋の中を見る。


心臓がどっくん、どっくんと高鳴っていた。


(俺は...俺は...)


胸から腹の辺りにかけて、言いようのない、もやもやとした焦燥感が湧き起っていた。

(俺も...女を求めるのか..)


みぞおちに手を当ててそう頭の中で考えていた。


その4へ続く

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