坂巻藩お戯れ2「それぞれの役目」その4「湯殿へ」 - 官能な体験談・短編、フェチ話


坂巻藩お戯れ2「それぞれの役目」その4「湯殿へ」

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坂巻藩お戯れ2「それぞれの役目」その4「湯殿へ」

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■湯殿へ

「上様...そろそろ湯殿にいかれてはいかがでございますか?」


お付き小姓が訪ねた。

小笹真之介という、まだその男子はまだ少年のようなあどけなさを持っている。


「湯殿...そうだな...」


宗広は、先程来のそわそわととした気持ちを抑え、さも今思い出したように反応した。


「よし..そうしよう。準備せよ。」


パチンっ、と扇子を閉じると、傍らで控えている真之介にそう告げると、


「はい。告げてまいります」


彼は頭を下げると、後ずさりし、そのまま立ち上がって向こうへ行った。

「上様ー お湯殿ー」

「上様ーお湯殿ー」


彼の高らかな声が響き、周囲に知れ渡る。


(今日は...夕べのように緊張せぬとよいな...)


宗広は暮れかかる空を見上げてそう思っていた。


真之介が案内役を務め、中奥まで先導し、その先は中奥の女中に託す。


「上様...私が...」


見知らぬ、若い女中がその役を受け持つ。

「波路と申します」


彼女は、宗広に女を意識させる。

当人も、若い、まだ正室も側室も無く、子さえもいない宗広の声が掛かるのを意識しているのか、所作の端々が思わせぶりだった。


着ている服装、雰囲気からして、奥女中の中でも身分は上の方だと思われる。

「そなたは...父親は何と申す?」


宗広が聞くと、


「郡奉行、粕谷隼人進でございます。」


彼女は振り返ってそう答えた。

丹念に結わえられた髪と、切れ長の目が目に付いた。


「粕谷か..あい分かった。よろしく頼む。」


粕谷隼人進は、北部、川向こうの郡奉行だった。

先日に家臣連中の挨拶を受けた時の事を思い出す。


波路が角を曲がった。


「上様....こちらで、ございます」


色気を含んだ声でゆっくりと話しする。

しばらく行くと、昨夜と同じ光景。

白い小袖を纏った紫乃が跪き、控えていた。


「もう、よい。分かるゆえ。」


宗広は、波路の顔を見た。

「はい....」


彼女は少し緊張したような感じで、だが少しの恥じらいを見せて返事した。


そして、腰をかがめて横に位置を変え、しずしずと去って行った。

「紫乃...」

「また、頼む。すまぬな。そなたの役目は他にもあろうものを」


波路が去ったのを見届けて、宗広はそう呟いた。

「いえ...唐橋様より受け賜わりました」

「お褒めのお言葉、光栄の至りにございます」


紫乃が頭を下げたままそう言い、

「では...」


と少し事務的に湯殿への扉を開けた。


その5へ続く

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