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シャワーシーンの撮影の後は15分間の休憩になった。
監督やその他スタッフ達はいつもの通り、タバコを吸いに部屋の外に出た。
そしてタバコを吸わない俺と咲子だけが部屋にいる。シャワーシーン撮影前と同じ状況になったんだ。
「…………………」
同じ部屋と言っても咲子は浴室、俺はリビングルームの端にいるだけ、という関係。
ただ、撮影部屋の中に2人だけでいる、その状況だけが俺を緊張させていた。
「そうだな…」
そんな緊張を振り解くように、部屋の片付けを始めた俺。
撮影機材に触れないように、空のペットボトルや散らかった台本なんかを整理する。
指示された事じゃなかったんだけれど、とにかく何かをしていないとこの状況に耐えられそうになかったから、とりあえず今出来ることを探して、そうしていたんだ。
そんな時、ふと気配を感じた。
「…………!」
見上げると、咲子。
俺のすぐ側にいて、こちらを見ている。
格好はさっき浴室で外したビキニを付け直していて、上からバスローブを羽織っている。
「あ…の……」
俺は口をポカンと開けた状態で傍らのアイドルを見上げた。
急に起きたこの状況で、何をどうしてよいか分からずに、混乱し、相手側からの反応を待っている状態のままで。
「名前…聞いてもいい?」
静かな、綺麗な声だった。
俺はその言葉の意味を頭の中で理解し、何度も確認して、最後にこう返した。
「あ…の……、ま……前原 大志」
「…です。」
「ど……ど…どうか…しました?」
同い年くらいだと思っているが、敬語になっていた。とても緊張していて、まともに彼女の顔も見れない。
ただ、相手から話しかけてきてくれた、その事が救いだと思った。
その事実だけが、このあり得ない状況の中で、咲子の前で逃げ出さずに居る勇気を俺に与えていたんだ。
「大志…くん…? ちょっと…ね?」
「お願いが、あるの。」
咲子は下を見た。
ベージュ色の、ソファのカバーを見ながら、とても小さな声で次の事を俺に話し出した。
「この後…ね?最後の撮影シーンなんだけどーーー」
「すごく…嫌なシーンがあるの…」
彼女の言葉を聞きながら、頭をフル回転させて理解し、考えていた。
(次のシーン…なんだっけ…)
それでもうまくまとまらずに、彼女が話し出す言葉に頼って、とにかくそれを聞き漏らさないように、集中することだけを試みる。
「恥ずかしいん……だけ…ど……。」
咲子がチラッと右を見た。
「あー…」
その視線の先にあるものを目にしてようやく思いだした。
「で…電動………」
「マッサージ機…」
撮影の最後に予定されていたシーン。
本来は初日に、監督自らがが咲子をマッサージしたシーンの続きでやる予定だった部分。
予定が変更され、この後撮影する事になっていたものだった。
「あ…………ぁぁ……」
咲子を目の前にして、そんな強烈すぎるシーンの有様を想像するだけで、居ても立ってもいられなくなる。
ただ口をパクパクとさせ、視線が定まらない状態。
それでも咲子が目をやったその先、黒い大きなバッグの中に仕舞われていて、その一部だけが外に出ている、電動マッサージ機を見ていたんだ。
「で………」
「で……そのシーンが……どう…なの?」
喉の渇きを覚えていた。
苦しくって、舌がねとついて、どうしようもなかったんだけれど、ようやくそれだけ、喉の奥から絞り出した。
咲子がこちらを見た。
「お願いが……あるの…」
「その……マッサージ機なんだけどーーー」
「大志君が……動かしてくれないかな…」
(………!)
後ろから殴られたような衝撃を覚えた。
「え……っ……えぇ……。」
「あの…その……」
(動かすって……? ええっ…!)
彼女の発言の趣旨を理解しようと、必死で考えていた。
着エロで、電動マッサージ機を動かす人……それはーーーー
妄想した。
俺がいつもスマホで見ている着エロ系グラビア動画。
白いビキニを着た年若い娘を、先がおしべみたいに膨らんだ電動マッサージ機(俗に電動バイブとも言う)が、襲っている。
くびれた腰や、胸元や、そして股間を容赦なく責めて、最後はその娘を果てさせてしまう。
「……………」
ごく…り…
唾を飲み込んだ。
その音が近くにいる咲子に聞こえてしまうんじゃないかってくらい、大きな音を出して。
「ど……ど…どうして?」
そして聞いてみた。
彼女が、どうして一介のバイトの俺、しかも今日初めて会話を交わしただけの俺にそんな事を頼むのかって。
「……………」
咲子はじっと俺を見ていた。
そしてしばらくして、静かに口を開き始めたんだ。
「嫌だったの……」
「それに、マネージャーにも断られたし……」
ぼそ、ぼそっと話始めた咲子の会話の内容は次のようなものだった。
・あの監督に身体を触れられる事、ましてや電動マッサージ機で刺激されるのは嫌だ
・だから女性マネージャーに代役を依頼したが断られた。
・それならせめて、撮影スタッフの中でも一番若い、同じ大学生の俺にその役を担って欲しい
「え……っ…! あああ……」
「あの.........」
言葉にならない驚きを発している俺に、咲子はコクン、と頷いた。
「お願い、出来る......かな.....?」
「それでーーーー」
「.........あともう一つ」
「私が、ね.....? 感じたフリ、刺激を受けたフリをするから.....、それに合わせて欲しいの。いいかなぁ....?」
咲子がまたぼそぼそと話が始めた。
彼女が俺に依頼したもう一つの事、それは有り体に言えば、感じたフリ、イッたフリをするからそれを踏まえて欲しい、と言う事だった。
「べ、別に..いいケド、監督はーー」
俺としては異論無かったが、監督や他のスタッフがなんて言うだろうと思った。
咲子が反応する。
「それはーーー、私がお願いするから」
「私が.........」
その表情には意思が込められているように見えた。
何が何でもそうする、そんな様子の咲子が、休憩を終えて戻ってきた監督達に近づいていき、話しかけていた。
さっき咲子が俺に依頼した事を言っているに違いなかった。
■震えるその手で
「じゃあ、前原君、いいかな…?」
スタッフの注目が俺に集まっていた。
部屋の真ん中で、今まで小間使いのバイトだった俺が監督から電動マッサージ機を手渡される。
「え…ぁ、はい…」
大きさにして、1リットルのペットボトルくらい。いざ渡されてみたそれはずっしりと重たいものだと思った。
「ここを、こうして…そう…」
監督が手を添え、スイッチを入れた。
ヴィーーーーン……
マッサージ機が振動を始めた。
非常に細かく、小刻みな感じで、それを持つ俺自身の手と一緒に震えている。
「分かった?」
監督が顔を近づけた。
「あとは…任せるよ。」
「咲子がいやらしく、エロティックにカメラに映るように、好きにしてくれればいいよ」
「キミも、嫌いじゃ無いだろう?」
監督が笑うと、スタッフ達も笑った。
そして監督がポンっと俺の背中を押した。
「ま、途中で出す指示には従ってね?」
「頑張れ…」
こうして、俺は撮影現場の前線に送り出される事になった。
こう言った撮影、ましてや芸能界とも縁遠いただの学生の俺が、こうしてカメラの前に映る。
もちろん、映像としては俺の手のひらが映るだけかもしれないけれど、なんてったって現役アイドルに電動マッサージ機をあてがう役を担っているのだ。
(や…や……やば…。)
緊張で奥歯がガタガタと震えていた。
そして腰の辺りがヘナヘナと、力が入らなくって、まともな姿勢を保てそうに無かった。
「よろしくね…?」
それでもベッドに近づき、咲子の近くによって、彼女からそう挨拶をされると、やらなきゃ、彼女に頼まれた事をしなきゃ、って言う気になっていたんだ。
「う…うん、分かった…」
「うん…。」
俺はそう咲子に返し、その後で監督やカメラの方を振り返って合図をした。
撮影を開始して構いません、と言うサインのつもりだった。
「じゃあ、始めます。はいっ…」
助監督の声が掛けられた。
次いで加わったのは低いカメラの駆動音。
そして目の前の咲子が身体をくねらせはじめる。
ベッドに横たわった状態で、胸元を隠すように置いていた腕を少しずつ、下の方へ動かしていく。
視線を虚げに天井を見たまま。
やや頬が紅潮しているのが側で見ていて感じられた。
「よし、いいよ…」
背中に監督の声が飛んだ。
それは電動マッサージ機のスイッチを入れろというサイン。
「………………。」
目を瞑りながら、すぅっと息を吸った。
そしてゆっくりと吐き出しながら右手の親指に力を入れる。
カッ…ッチ……
ヴィーーーー………ン
最初は弱設定。
唸り出したマッサージ機を、恐る恐る持ち上げた。
あとは目の前で、無防備な体勢でいる咲子の身体に向かって近づけていく。
「……………………。」
「っ………はぁ…」
出しちゃいけないのに、思わず呻きが漏れてしまった。
息をするのも苦しい。
咲子の笑顔に、そのしなやかな肢体にハートを射抜かれた俺にとって、カメラの前で、彼女に対してエロ目的でマッサージ機を向けると言うことはかなりの強メンタルを要求した。
ヴィ…
最初に触れたのは咲子の肩の下あたり。
「っ…!」
触れたタイミングで咲子が反応し、身体を捩る。
「ぁぁ……」
「ん………」
身体が動き、自然とマッサージ機の先端に彼女の方から触れにいく感じになる。
ヴィヴィ…
ヴィーーーーー…
マッサージ機を通じて、彼女の身体を感じた。
ぐいぐいと押し返されるように、反発する。
「はぁ…、ぁぁ………」
目の前の光景、咲子が俺の持つ電マに身体をくねらせている。
まるで、俺が彼女を愛撫しているような感じで。
(や……やばい……)
頭に血が昇っているのを自覚した。
そして気付けば股間がカチンコチンになっている。
信じられないくらいに性的に興奮し、俺は撮影している、この様子をカメラで撮られていることも忘れて、手を動かし始めたんだ。
(ぁぁ…)
(咲子…、ちゃん……)
マッサージ機の先っぽを、彼女の胸元に押し当てた。
ヴィヴィッ……ヴィー……
彼女の胸元、谷間の乳房の肉で盛り上がった部分。
撮影風景を見ていて、ここに触れられたら、どんな感じなんだろうって、散々に妄想したところ。
ヴィーッ…
そこが、電マの先端に触れて揺れていた。
ヴィヴィッ…
さらに押し当てる。
欲望のままに、電マの先でビキニをめくるような感じで、奥へ奥へと当てていく。
「やぁ……」
「ぁっぁ……」
咲子が困った顔を見せた。
小さく喘ぎながら、それでも逃げないで、俺の手の動きに耐えている。
「…………………」
俺はそんな彼女の顔を見ていた。
ぼおっとして、本当に好きになってしまったみたいに、彼女の顔から目を離せなくって、それでも、手だけは動かし続ける。
「…………いくよ…」
ヴィヴィッ………ッ…
本当に小さく、俺と咲子の間だけにしか聞こえない小さな声で合図した。
そして彼女の胸の膨らみの中央部、乳房の膨らみの頂上だ、と推定される部分に機械を押し当てたんだ。
「やっ……。」
びくん、とした反応。
「や…っ……ぁ…。」
「ぁぁ…」
咲子は背中を逸らした。
辛そうな感じで、身体をくねらせているその様子は、事前に聞いたみたいに演じよう、感じているフリをしよう、と言うのとはちょっと違うんだと思った。
弱々しく、必死で耐えている感じ。
ビキニ越しとは言え、先端を揺らすそのマッサージ機の振動で、胸の谷間の膨らみが揺れている。
「あーーー…」
「い…やぁ…。ぁぁ………」
咲子が大きな声を出した。
そしてびくっ、と大きな反応を見せた。
「よし、いいぞ……?」
「よしよし……」
後ろから、監督の満足そうな声が聞こえた。
そして彼は言った。
「じゃ、そこから下に…ね?」
「分かるよね?」
そう言われて、俺は咲子の顔を見た。
彼女も俺の顔を見ていた。
そして、「分かるよね?」と彼女がそう言っているように、俺は感じたんだ。
続く
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2020/9/26 新規掲載
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