何故こうなったのかは分からないが、目を開けると、見知らぬ男性に愛撫されていた。
「....」
どこか、見覚えの無い部屋に居て、寝かされている。
そして下の方に視線をやると、同年代くらいの男性が私の下半身を眺めていた。
(へ.........なんで....?)
頭の奥の方はガンガンと痛み、深酒したんだと自覚する。
そして、意識がはっきりとしない中で、彼は下半身をぐいっと抱え、そのままスカートを脱がし始めた。
(あ…パンツ…)
正直、現実だか夢だか分からないような状況で、私はそんな事を意識していた。
やがて、私のスカートを脱がせた男、好青年風の若者は私の下着を脱がせた。
「ぁぁ…」
彼が低く呻いた。
そして、内股に触れる。
「ぁぁ…」
さわ......わ......
何度も何度も飽きずに内股をさすり続け、そして彼の頰、唇がそこに触れた。
(っぁ.......)
当然に、私の恥ずかしい部分は露わになっていて、彼にその細かいところまで見られている。
部屋は明るく、うまい具体に私の下半身の辺りに照明の灯りが当たっていた。
「や…」
ようやく喉の奥から絞り出すように短く声を発した。
だが、それは彼の耳に届いたかどうかは分からない。
彼の頭は私の内股と内股の間に沈み込み、恥丘の辺りに鼻先をくっつけている。
自然と挟み込むようになる私の太ももは、きっと耳栓のような役割を果たしているのだろう。
そう思って内股を開いた。
「ん…」
その瞬間に割り込むように滑り込む彼の顔。
そして股間に伝わるゾワワっとした感覚。
(や.........)
(気持ち...いい...)
別に彼のその行為を受け入れるとかそんなつもりで足を開いた訳じゃないのに、彼のことを受け入れ、より直接的に刺激を受ける結果になってしまった。
くち....ち......
彼は私の股間をぺろぺろと舐め、やがて丁寧に唇と舌で吸い、愛撫してくれた。
(ぁぁ.....)
(なんだろう...?)
私はクンニされていて、その相手が見知らぬ相手である事について、不思議と鈍感だった。
誰でもいい...
クンニ.......舐めてくれるんだったらーー
そんな半分自暴自棄に似た、気持ちで、上下に動く彼の頭を見る。
くちゅ...ちゅぅ..
ちゅっ..
やがて聞こえてくる卑猥な音。
音と同時に、くすぐったい、そして明らかな快感が込み上げる。
「ぁぁ...」
彼はズボンを脱いだ。
そしてトランクスも脱ぎ、傍らに投げた。
(ああ...挿れるんだ..)
私はぼおっとした意識の中でそんな事を考えていた。
明確な意識はなくて、ふわふわとしたままで。
それでも、
「あ....ゴム..」
そう呟くと、彼が私に気付いた。
「あ.....」
「うん...」
彼はもう、挿入の姿勢に入っていて、その男根の先端が既に私の中に這入ってこようとしていたが、慌ててそれを止め、枕元のゴムを手に取る。
「うん...」
彼はゴムを装着すると、改めて挿入を試みた。
正常位。
互いに上の服は着たままで、下半身だけ繋がり、向き合う。
ぐっ...にゅ..
「ぅぁ...」
私は自然と喘ぎを漏らした。
「ぁぁ....」
「きつい..」
彼も同様に呻く。
ぐっ..にゅ....
ぅ...
奥まで這入った。
彼は私の顔を見て、そして優しく撫でる。
「....」
「あの......」
「どうして....私はここに..?」
私は彼の顔を見ながらそう尋ねた。
彼は少し慌てたような顔をした。
そして顔を近づけ、私にそっとキスをして、こう言う。
「どうしてって.....」
「覚えてないの....?」
私は彼の口付けを受け入れ、慣れた恋人のように接触を交わし合う。
「それでも.....」
「いいっ...の....っ..?」
彼は動きながら、興奮したように言った。
なるほど、当然だと思った。
だが、この状況、この姿勢。
私の貞操の清廉さはともかくとして、ある意味どうでも良いことのように思えた。
(コンドーム 、着けてくれてるし.....)
「だって...っ...ぁ..」
「気付いたら...っ....」
下半身がじんじんと、快感の波で蕩けていた。
彼の亀頭がずんずんと、お腹の中をかき乱している。
気持ちよさの波が私の皮膚に染み込んでいった。
「だって...」
「はぁぁっ.....」
私は天井を見た。
頭は依然として痛みを感じていた。
そして、今何時だろう?とか、明日仕事だったっけ?とか考えていたら彼が情け無い声を出し始める。
「ぁぁ...最高..」
「いいかな...ね...ねっ..?」
彼は私の胸元を弄る。
乱暴にたくし上げ、ブラをずらし、乳房や乳首に吸い付いた。
「ぁ...だめだ...」
「ぁーーー.....!」
彼は私の身体に抱きつき、ぎゅうっと締め付けた。
私は相変わらず天井を見ていた。
彼の男根の動きが止まったこと、そしてその先端からびゅる、びゅるっ、と精子が放出される感覚を捉えている。
「ぁぁ...」
「ぁぁっ...」
彼は乳首を唇で咥えながらそう喘ぐ。
私は胸の少しの痛みと、切ない感覚に、びくびくと反応していた。
「ぁぁ....」
「なんだか....」
下半身の快感は、じわじわと高まり初めていた。
このまま続けてくれたらイケそうな気もしたが、彼の動きが止まってしまった今、何だか惜しいような気がした。
2018/5/23 新規掲載
2019/10/26 内容更新
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