「ふぅ....」
出している、と言うよりは吸い出されているような感じ
正樹は久美の身体の中で久しぶりの射精感を味わっていた。
ドクドクとして、ビュルルッ、と奥の方から精子が流れ出る。
それは長く長く続いた。
そして絶頂の瞬間の、あの高揚感とは打って変わって、何だか落ち着くところに落ち着いたような安心感、達成感が沸き起こる。
「ぁぁ......」
「最高....」
正樹はわざとそう口にした。
それは久美とのSexに対しての謝辞の意味でもあったし、自分自身、彼女とのSexについてこれで良かったと納得したかったからでもあった。
「ん...」
そして彼は顔を持ち上げて、頭をくっつけている久美の唇を奪う。
正樹よりも少し早いタイミングで「いく..っ..」と言ったっきりの久美は、その後はただ、だらんとして人形のようになっていた。
悪い言い方をすれば、ダッチワイフのように彼の腰の動きを受け入れていた久美はダルそうにそれを受け入れる。
「ん...っ..」
「っ...はぁ.....」
唇が重なり合い、密着する。
互いに少しだけ舌先をチロっと出して、その先端で確かめあった。
「久美......」
「っ...っぁ....」
僅かな距離を隔てて正樹は彼女の名を呼ぶ。
そして彼女の頰に手のひらを合わせてこちらを向かせた。
「良かった....よ...」
「とっても.......」
「っ...ん..」
舌先が触れ合った。
そして少し引くと糸を引いているのが分かる。
「ぁぁ...」
「良かった...」
正樹は腰を少し浮かせた。
膝に力を入れ、身体の左側を軸に久美の身体から離れる。
にゅ...
「ん...」
彼女の身体の中から抜き去る際に滑らかな摩擦が生じる。
「ん....っ....」
久美が悶えた。
背筋をぴん、と伸ばして反応を見せる。
じゅっ...る...
にゅ...
ペニスはまだ大きく硬いままだった。
コンドームを装着した状態で、ゴムの先端の精子溜まりにぷっくりと固まっっている液体がだらんと下に垂れる。
「いっぱい…、出たね…」
「ふ...ん...っ..」
久美がその精子溜まりを見て笑った。
そしてこちらに向き直し、そこに手を伸ばして摘む。
「元気…」
「だね…」
彼女はうっとりとした表情でそう言った。
そしてそれをじぃっと見ていたかと思うと、さらに左手も添えて、正樹の男根の根元に触れる。
「ふ…っぅ…ん…」
小さく息を吐いた。
そして、ペニスの根元に指先を引っ掛け、コンドームを外していく。
ぬ…っ…
にゅ…っる....
正樹はその様子をただ眺めていた。
久美の愛液がまとわりついた、てらてらと滑らかになっているコンドームが外され、薄ピンク色の、萎びた皮だけになるのを見ている。
「ん…」
久美がゴムをすっかり外し終わると、ツンとゴムの匂いが鼻をついた。
「いっぱい…」
「出た…」
彼女は精子溜まりをぶら下げ、ゆらゆらとそれを動かした。
それはまるで5円玉なんかで催眠術をかける時のような仕草に見えてなんだかおかしい。
「ふふ…やめろって…」
「ね...」
正樹は笑った。
そして、ゴムが外され、男根の外皮がめくれて皮かむりになっているのを直そうとした。
「正樹…」
久美がその動きを制止する。
顔を近づけ、正樹の手をもって、身体を入れ込んだ。
「きれいに…」
「するね…?」
下半身の視界が久美の黒い髪や、華奢な肩で覆われる。
ねっとりとした、温かな感触と、上下に動く久美の身体。
にゅっ…る …っる…
……じゅっ…ぷ…
じゅっぷ…
まだ膨張したままのペニスを久美の舌が覆った。
カリの下から舐め回し、口全体で緩やかに覆う。そして粘膜で正樹のペニスをこすっていく。
じゅっぷ…っる…
ちゅ…っぷ…
いやらしい音が部屋に響いた。
さっき、交わっている時とは異なる音。
それは、久美が唾液をわざと多めに出して、音をだしているように思えた。
「久美……」
「ぁぁ…気持ち…っ…いいよ…」
正樹は素直な感想を述べた。
射精したばかりのペニスが、やや痺れたような感覚の中でねっとりと、刺激される。
ーーまるで魂まで持っていかれそうな
そんな感覚だった。
痛むず痒くって、危うい。
竿は筋肉痛に似た痛みをだしていて、亀頭はヒリヒリと感じた。
それでも、久美の愛撫はつづいていく。
カリを頬張り、口を窄ませて、正樹の亀頭を絞った。
窮屈な刺激と、滑らかな舌によるなめまわし、そして後はツンツンと先端の最も敏感な部分を突き、吸った。
「ぁぁ…」
「だめ……だめだよ…」
「だめっ……ぁ……ぁぁ…」
正樹はたまらず、そのまま意識を解放する。
膀胱に溜まっているものを、生理現象そのままに久美の口の中へ。
じょろろ……ろろ…
「ぁぁ……っぁぁ……」
まるでイケない事をしている気持ちだった。
Sexなんかよりもっと背徳的で、秘匿すべきもの。
「だめ…ぁぁぁ…」
正樹には、もはや自分自身の下半身がどんな風に、そして彼女の口の中に出したものがどういう風になっているのかは想像も付かない。
ただ、項垂れて、出せるものを出した。
「久美……」
「久美…………」
正樹は彼女の名前を呼んだ。
そして、手を伸ばし、久美の頭に触れる。
「久美………好きだよ…」
それは嘘偽りの無い、本心からのものだと正樹は思った。
2018/11/29 新規掲載
2019/9/15 内容更新
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